地域の宝探し

(千葉大学がやって来た!!)

<デザイン文化計画研究室紹介>

 

 こんにちは!千葉大学デザイン文化計画研究室です。 わたしたちは千葉大学のデザインコースにある14の研究室の1つで、現在2名の教員、1名の技術スタッフ、37名の学生が在籍しています。

デザインと聞いて何を思い浮かべるでしょうか? かっこいい車やきれいなファッション・・・、いろいろあると思いますが、わたしたちは「デザイン=生活づくり」ととらえています。 人びとの生活を見つめなおし、これからの生活がどうあるべきかについて、研究しています。 これまで千葉県の南房総市や館山市、木更津市をはじめ、日本・アジア各地で活動を行ってきました。

また「野に出て生活を学ぶ」をスローガンに、さまざまな地域にお邪魔しながら、実際に生活を体験させていただく「デザインサーベイ」をたくさん行っています。 地域のみなさんにとってはあたりまえと思われる地域のさまざまな「もの」や「こと」が、いわばよそ者である私たちにとっては、素晴らしい「地域の宝物」として映ることが少なくありません。 こうした「宝もの」の価値を再び認め合い、活用していくことで、その地域にふさわしい生活を地域のみなさんとともに考えていきたいと思っています。

 

<研究紹介>

 

 わたしたちが近年行っている千葉県内での研究を紹介します。

 

〇歴史が育んできた社寺彫刻の3Dデータ化

 

 ご自宅の近くに神社やお寺はありませんか?生活のなかでしばしば訪れる方もいるでしょう。 一度、視線を高く上げてみてください。 迫力ある龍や獅子の姿が生き生きと彫られているかもしれません。 千葉県内でも、特に房総の神社やお寺には、こうした造形がたくさんあります。 しかしながら、長いあいだ同じ場所で私たちを見守ってくれていることもあり、雨や風などにより傷んでしまっているものも少なくありません。 こうした造形のかたちを最新の3D技術で記録することで、万が一に備え、デジタルデータとして保存することが可能です。 さらには3Dプリンターなどを用いることで、精度の高いレプリカをつくることができます。 こうしたレプリカを直接手で触れ、子どもたちに親しんでもらう体験などもを行っています。

 

〇漁師さんの想いがつまった万祝模様の製品づくり

 

 万祝とは、千葉県で生まれたとされる漁師さんの祝着です。 かつて大漁のあった年の正月には、船の漁師さんみんなでこれを着て喜びを分かち合ったといいます。 もしかしたらみなさんの身近な方も着ていたかもしれません。 あるいは家のどこかに眠っているかも・・・。 万祝には鶴や亀、松・竹・梅など縁起の良い模様があちこちに付されています。 華やかな模様からは、大漁を祝う漁師さん想いがたくさんつまっているような気がします。 こんな模様をもっと生活の中で使っていけたらいいのに! そんな気持から、万祝模様の製品をたくさんつくってきました。 現在、その一部は館山市のふるさと納税の返礼品や博物館のミュージアムグッズなどになっています。 

 

 

〇木更津市の「いいとこ」をまとめた地図づくり

 

 木更津市鎌足地域の魅力をみんなで共有するための地図(その名も「鎌足いいとこマップ」)づくりを授業のなかで行いましたに。 学生が体験したことや、地域のみなさんとのお話を通して発見した地域の「いいとこ」をイラストとともにたくさん載せました。 現在は地域のみなさんからの意見を頂いている段階です。 「こんないいとこもあるよ!」と新たな魅力も教えてもらっていて、それらもどんどん載せていくつもりです。 地域のみなさんのおかげで、地域のいいとこがつまったよりよい地図となりそうです。

 

〇鋸南町でのこれから

 

 わたしたちデザイン文化計画研究室は、2019年6月より、毎月開催されている「野水仙つうしん」編集会議に参加させていただいています。 会議後には日本寺や保田小学校、佐久間ダム、笑楽の湯・・・など魅力あふれるさまざまな場所に連れていっていただきました。 今後も、ぜひみなさんと地域の宝さがしを行っていけたらと考えています。 どうぞよろしくお願いします!